センスの話

お絵描き講師のダテナオトです

本日はセンスの話というものをしてみようと思います
まずはコレをご覧ください


この画像は左が3D、真ん中がそれをトレースしたもの、右が誇張して描いたもの。
3Dの時点では不自然ではなかったのにトレースすると何だか『棒立ち』に見えます。
むしろ誇張した右のほうがそれっぽく見えますよね。
情報は減ると直線的になる傾向があるのでそれを誇張によって修正しているわけです。

傾き(コントラポスト)を可視化したものです。
如何に大げさに傾きをつけているかが分かると思います。

美術デッサンにおいてもそうですが見たものを見たまま描くのではなく
(もちろん写実性も大切)もっともらしく描きます。
絵はそもそも見ている誰かに何かを伝える手段です。
その何かが伝わらなければ意味はありません。
その為の誇張でもあります。

と、この手の話を生徒サンなどにするとよく返ってくるのが
「自分にはセンスが…」というモノなのですが
今日の本題はココからでして

この「センス」は「知識と経験の総量」で決まります。
好きな物、感銘を受けた物に多く触れた人はそれだけ広く深いセンスを持てます。
「俺はセンスがない」は単に『俺は好きな物も少ないしそもそも殆ど触れてきてない』
と言っているだけですので好きな物もを増やせばいいだけの話なんです。
悲観する要素は皆無です。

ちょっとこの2つの絵を見て下さい

好きなものを好きなだけ描く
何にしても結局はここに帰結します
私も、自分が好きな作品はこうして今でも描いているわけです

従って上手い人が手が速いのは無駄な思考フェイズが無いからです。
沢山の『描き慣れたパーツ』を持っていたり作業そのものに慣れているので
殆ど考えず(手が止まらず)に描いているからです。
(20年以上も同じもの描いてれば流石に早くなると思いませんか?^w^)

つまり『速く描こう』という練習は無駄で
丁寧に何度も同じモチーフを練習する事でしか体得できません。

つまり、【センス=知識量×経験】です。
知識は経験して初めて理解出来ます。
ただ知識だけを蓄積するのもまた無意味です。


そしてセンスとデザイン能力は同義語でやはり知識と経験でのみ習得できます。
イラストも漫画も文章作成も何もかもが知識と経験。
正直才能なんて全体のほんの数%なので才能を問われるなんて
余程互いに拮抗したレベルの人間と戦う時しか使えません。
そして自分の最大のライバルは自分自身以外存在しません。
他人と競うことほど無意味なことはないと思います。


今日はこのへんで
それではまた

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