戦術と戦略についてと、プロへの適性

お絵描き講師のダテナオトです
本日のタイトルは重いです

「戦略と戦術についてと、プロへの適性」です

この手の話題はオンライン・オフライン
公私を問わず色々な所で言っているのですが
なかなか理解してもらえません

また今回の記事はプロを目指している方に向けてになってきます。
趣味として行うことが目的であるとはっきりしている方は話半分に聞いて貰えればと

まずタイトルの前半部分である、戦略と戦術ですが

https://kokonet-pro.com/post-3004/ より

本来は軍事用語で、有名な使い方に
「戦略の失敗を戦術で取り返すことはできない」というのがあります

これは長期的なビジョンを誤っていた場合
個々の戦場において勝利したところで
大局的に結果はあまり変わらないという意味です

例えば国家間の戦争において『戦略』とは
最終的にその戦いをどう決着させるかという落とし所です。

戦略は何も絶対的勝利だけではなく
「講和に持ち込む」や「属国として生きながらえる」
というのも戦略的勝利に当たります。

要は『生存戦略』としての道筋を決めることが『戦略』なのです。

一方で戦術ですがこれは何となくわかってもらえるのではないかと思います
例えば敵がここに進出しているので味方の部隊をどこに配置し
何時頃にどのくらいの兵力でどういった武器を使って攻撃するか
こちらが戦術になってくるわけです

さてこうした考え方が絵描きと何に関係してくるのか
実は大有りです。この考え方は絵にも通用してきます
(※と言いますか絵と関係ないビジネス書なんかでも
この考え方はよく登場します)

さて、仕事として絵が描きたいのであれば
『戦略と戦術』を意識する事です。

なんの為に描いているのか
どういう結果が欲しいのか
推しキャラを魅力的に描くにはどうしたらいいのか
描いた推しキャラをどう見られたいのか

よく「がむしゃらに描いてます!」って人見かけるのですが
『がむしゃらに描く』って要は深夜真っ暗な広大な砂漠で
闇雲に走り回ってるだけです

朝まで待ち、東を確認し、
情報を元に安全地帯まで最短で歩くのが最良の生存法です

絵を仕事として考えた時
確かに大好きだという気持ち自体はエネルギーとして重要です

でもソレだけでは不足していて
自分の今持っている武器(描ける絵)をどのように活用して
仕事にしていくのかという視点が必要です

長期的に自分がどのように商売として絵を書いていくのかということを考えておかなければ
いつまでたってもスキルの高い趣味人のままでビジネスとしては成長が見込めなくなってきます

https://qboekendorp.hatenablog.com/entry/2016/03/23/230537 より


では同人誌を例にもう一度説明を試みてみます

例えば戦略目標を『同人誌で黒字を出す』とした時
重要になるのが「コスト」の概念になります。

ペイライン(コストを回収できる利益のライン)を
1円でも超えればそれは戦略的勝利となります。

次に印刷コストや旅費の捻出をどう抑えるのか、
印刷部数は?どこを拘り、どこをカットするのか
そういったことを考えるのが戦術になります。

最高の品質の本を出せば満足はしますが
ペイラインは確実に割ってしまい赤字になります。
これでは戦略的目標は達成できません。

ですので戦略的目標を立ててあえて削るところは削り、
拘る所を局所的にして満足度は維持し、
できるだけペイラインを超える事
これが戦術になるわけです。

おおよそ悩みの原因はここにあることが多く、
戦術に拘るがあまりに戦略的敗北をしてしまうことが多々あります。

ただ漠然と絵を描いていても戦略的勝利は絶対に手に入りません。
まずは戦略目標を立て、
そこへどう向かえば最良の勝利を収められるかが重要なわけです。

これまでの経験的にかなり多くの方がこういう話をすると嫌な顔をします。
こういう話をすると「小難しいから自分は好きに描きます」
という回答が返ってくることがよくあります

気持ちは分かります。面倒なことこの上ありません。
そんな事考えるなら絵を描く…という事になりがちです。

しかしです

それをせずに進むとそれ以上に面倒な事が必ず待ち受けている。
先に述べたように、何時まで経っても仕事として絵を描ける絵描にはなりません。

最後に今日のタイトルの後半である「プロへの適正」という言葉では
NG だという結論になるわけです

「よくそんな小難しいことを考えていられますね」と言われますが
商売としてある程度長く、また一定の収益を稼ぎ出すためには
こういった一般ビジネス論に通じるような思考を持っていなければ難しいのだ
というのが今日の記事の結論とさせていただければと思います

それではまた

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